ギグワーカーの仕事
日本でも広がり始めたギグワーカー
UberやAirbnbというとどうしても海外のことと思いがちです。実際UberにしろAirbnbにしろ日本だと海外、特にアメリカほどの広がりは出ていません。しかし日本にもギグワーカーは増えてきているのです。その典型例がUbereatsです。本家Uberは法律によって抑制されている感はありますが、Ubereatsの方は都内なんかはもう事故を起こしそうな勢いでいろいろなところで見かけます。
大きなバッグを背負っている人を見たら8割9割Ubereatsの配達員ですよね。
配達員は社員ではない
しかしながらあのUbereatsの配達員はUbereatsの社員ではありません。彼らはアプリに登録し、アプリ上で案件を獲得した上で配達の仕事をしています。いつも仕事があるわけではなく、収入は一定ではありません。Ubereatsに大量の注文が来れば収入が上がる可能性がありますが、そうでなければ上がりません。また、Ubereatsに大量の注文があっても、配達員がたくさんいたりすると仕事を受注できるかは不明です。
そして何よりもUbereatsの配達員は誰でもできます。登録さえすればいいのです。こういった形態で働いているのがギグワーカーです。恐らく皆さんの周りにもギグワーカーとしてUbereatsの配達員をやっている人がいるかもしれません。
先日はこんなニュースもありました。
ロンドンオリンピックフェンシング銀メダリストの三宅諒さん。Ubereatsの配達員始めたんです。こんな感じで誰でもいつでも始められるのがギグワーカーです。もちろん辞めるのも自由です。
恐らくUbereatsの配達員を経験した人よりUbereatsで配達を頼んだ人の方が数としては多いでしょうね。こんな仕組みが裏側にあったんですね。
Ubereatsの仕事にまつわるトラブル
何だか新しい働き方で、いいことが多いような気がするギグワーカーですが、Ubereatsではトラブルも発生しています。
配達された食べ物が食べれる状態ではなかったため、受取りを拒否したのです(料金は返金された模様)。しかし受取りを拒否された食べ物がそこら辺に捨てられており、それについてUbereatsにクレームをしたところ、配達員は社員ではなく個人事業主、つまりギグワーカーだから何もできない、という回答だったということです。
日本だと最近キッズラインというこれまたギグワーカーなのですが、ベビーシッターのマッチングプラットフォームが話題になっていますね。
キッズラインに登録しているベビーシッターが逮捕されたにも関わらず、キッズラインとしては彼らは社員ではなくギグワーカーなので、というスタンスでの対応をしており、利用者を中心にかなり怒り心頭となっているようなのです。
ギグワーカーが仕事を獲得しているUbereatsやキッズラインはいわゆるC2Cと呼ばれるビジネスモデルです。C2Cというのは顧客同士が直接取引を行う形式です。Ubereatsやキッズラインはあくまでそのための環境、仕組みを提供しているという立場。だからそこで起こったトラブルだったり、保障といったものは従来のサービスと異なる・・・ということですね。
理論上や規約上はそういう形になるのでしょうけど、実際それでサービスとして受け入れられるのかというのは今後議論になりそうです。Uberはアメリカでは上場していますし、キッズラインも今後上場を目指すと言われています。
今後の動向に注目していきたいですね。